親のこと

母親が何年か前に死んでいる。
でも、いつ死んだのか、なぜ死んだのかどこで死んだのか思い出せない。

私が育ったのは関東だけど、いま父は関西にいる。お墓を関西に建立しているし、何もなければ多分法事にも出ているはず。みんな、親がいつ死んだかなんて覚えているんだろうか。

僕はお母さんにお会いしたことあるよ、とカウンセラー。

母親の死因はわからないし、いつ頃かはわからないけど、たぶん私は20代だと思う。長いこと心臓を患っていたから、多分それが原因じゃないか、事故や事件だったら、親戚が何かいうだろうし。でも、お墓に死因は書いてないからよく知らない、と私は話した。

母親が死ぬ頃、祖父が死んでいて、祖父の遺産を私は相続放棄している。そのために印鑑登録をしているから、それを調べればいつ頃の話かはわかると思うと答えた 。
印鑑登録に関する手続きの際、自分で目的をメモで残していたのだ。

父親とは、半年に一度メールを。親戚づきあいのことが主。
姉は、直接会うことはほとんどない。メールも電話もないが、今年の春に父が倒れて入院したさい、電話がきて、電話口で泣かれた。
私に対して何かをあやまっていたが、なんのことかさっぱり分からないし、朝からそんな電話をかけてくることにうんざりして電話を切った。

後に、父の妹が連絡をよこし姉と私の間に入っている。姉からメールがきても、基本返信していない。
私はそんなことを話した。

こんな話、重要ですか?と聞くと

自分のルーツを整理することは意味がある。
無理に思い出す必要はないし、僕から何を思い出したか聞かないと約束したよね。ただ、捉え方を整理することは重要なんだ。

たいしたことないと思うのか、昔はつらかったけど、いまはそうでもないとか。捉え方だし、それで受け入れていくことが一番いいと思うとカウンセラー。

忘れてしまっていることがたくさんあって、私は別に困っていない。
むしろ、わずらわしいからすべて忘れたいくらいだ、フラッシュバックとか、忘れたい。どうしたら忘れられるんだろうか?と聞くと

忘れたいの?
それは難しい。記憶喪失を自分で引き起こすみたいなもので、たとえば命の危険だとか、相当なことかないと難しい。むしろ、捉え方を整理して受け入れるようにしたほうが、楽になれると思うとカウンセラー。