愛着センサー

世界が灰色だと話す。

なるべく中庸でいようとした結果、いきいきとした感受性がなくなって、快感も不快感もあまり感じない。

感動するような映画をみてもなにも感じない、エグいB級をみても不快感を感じない。ただ画面をみているだけ。

辛いでしょう、といわれるがそれも自覚できない。

ただ、死にたくなることはないので、その点は平気だと。

いろいろ試すことは大事だとカウンセラー。身体の安全は守れているけれどね、と。

それから、私は仕事のことでやっかいごとにまきこまれていること、実利をとるか精神面が楽かをとるかだね、と言われる。

でも灰色だけど、嫌な気持ちは強いんだねと。

やっかいをなんでやっかいと思うかを話す。

思考の訓練だけど、会社や仕事によって自分がかわってもいいと思うんだよね。器用に使い分けることだってできる。
そういうタイプじゃないかな?とカウンセラー。

だから、私は自分の正体がよく分からない。長期間抜けている記憶があるから、仕事ぐらい首尾一貫していないと、あまりにも不安定すぎるとこたえた。

まわりを心地よい空間にして固めておきたいんだね、それはよく分かるとカウンセラー。

古い友達と昔話をすると、ここ数年でさえ、仕事以外のことはほとんど覚えていなくてショックをうけたというと

仕事が支えだったんだね、とカウンセラー。

そう、だからいま仕事が宙ぶらりんでガタガタになっているんだ。


こういうときに、なんで続くか分からないが、父親が背中を怪我したと連絡があり、実家に連絡したら帰ってこなくていいと言われたことを話した。

まわりは、実家に帰ったほうがいうけれど、いざ申し出ると、こなくていいと言われる。みんなと違うんだと認識した。

そこでまた、自分にはシェルターがないことを再認識。必要とされていないわけだし。

カウンセラーは、それは、議論の余地があるし、読めないけどね。
きっと大変だから帰ってこなくていいと言ったのかもしれない。ここに通っていたことも、20代が本当に大変だったと知っているから。ここにも来たしね。という。

単身赴任をしていたし、どんな人かよく分からないと話した。病院にきたりするようなタイプではないのだけど。ただ、従姉妹が、子どもの頃によく遊んでもらったようだと伝えた。

カウンセラーは、インテリジェンスが高い人だけど、そういう側面もあったんだね。
ただ、愛着をつくる期間がほかの人に比べて短かったんだろうと予想はつくという。

私は話を聞きながら父のことをほめてほしくなくて、落ち着かなくなった。


母親がいつ死んだか覚えていないと友人に話したら、それは不思議だと言われたていうと

母親と言うのは、最初に出会う他者で、ほとんどの場合愛着を形成する相手でもある。
だから、ほとんどの人にとって特別な存在、、
大人になってもそうだから、母親が死ぬとショックを受ける人は多い。そして、覚えていることが多いのだと。

みかえりや、与えてもらったらかえさなくちゃと思わないような、特別な関係だよね、と。

恋愛はしたことがあるよね?
自分にとってこの人が特別で、世界がかわるような、ラブソングなんてそんなのばかりでしょうと。

全くもてませんから。ぴんとこな
友達にそういう相手がいたと言われても、どんな人だったかわからないし、思い出せない。
たから、本当にそんな人が存在したかもわからないと。

言わなかったけれど、ちゃんと恋愛して愛した人もいないかも。

すると、モテないの?とカウンセラーに聞き返される。モテそうだけどなあ。
理系っぽい話もできるし、そういうのが好きな人もいると思うのに、と。

容姿が問題なんだけどねという言葉はつぐんだ。

カウンセラーは、たぶん自分にシェルターがないとか、母親や父親との関係とかそういう、愛着に対する感覚、愛着センサーと呼んでもいいけど、そのセンサーをオフにして感じないようにしたんだろうね。

自分にシェルターがない、母親のこと覚えていないとか、そういうことを考えはじめると辛くなるしいいことがないから。

いまは、少しセンサーを入れた段階なんだろうね。
オフにしたら、シェルターがないことすら気がつかないけど、いまはないということを知っている。

僕は、君の昔を知っているから、愛着センサーが働きすぎて苦しんでいたことも知っている。

だから、考えないほうがよい、と。

落ち着かなくなったので、おしまい。
次回は2週間後。
不安かと聞かれたので
死にたくなったときの対処だけ教えてほしいというと

きっと自分の存在が意味がないと思ってしまうんだね、そんなことないのに、と。

生きている意味なんてないと私は思うが。

だから、死にたくなったら、まわりの人が悲しむと思えばいいんじゃないかな、と言われた。

やってみます、と私。

やってみることが重要だよ、とカウンセラー。

でも、まわりの人ってだれだ?
たれもいない。

ひとりなのに。